わッつギャラリーでは、2012年6月1日(金)から6月6日(水)まで、伊藤菜海さんと加藤俊さんによる「鶲窯 二人展」を行います。
加藤俊さんと伊藤菜海さんは、昨年(2011年)の5月20日から25日まで、わッつギャラリーにて展覧会(若鳥二人展)を行ってくださいました。
今回の展覧会は、鶲窯の特徴でもある、同じ作品が2つとできない薪の窯で焼いた作品を中心としています。
「若鳥(二人展)」から「鶲(窯二人展)」と展覧会名が変わったように、1年前と比べて2人それぞれに成長がありました。
加藤さんは、今も昔も作りたい作品像に変わりはありませんが、1年前の作品と比べると技術的に進歩してより完成度が高くなりました(例:抹茶茶碗の全体のバランスや高台の作りが良くなった)。70歳過ぎのお爺さんが作ったようなしぶい作品と言われることもあるそうです。
今後の目標は、さらに味のある作品を作っていくことです。
伊藤さんは、1年前に比べて作品作りで失敗する数が減ったり、技術的に進歩して自分の作りたいイメージ通りに作れるようになったり、作れる作品の種類が増えたりしました(作るのが難しい大きな作品や蓋物の作品など)。また今回は絵付けをよく考えたそうです。
今後の目標は、技術的な課題を克服し、手助け無しで自分1人で作れるようになると共に、シンプルだけど私が作ったと分かる作品を作っていくことです。
加藤俊さんは愛知県瀬戸市に生まれ(1985年)。
父親とその兄弟5人全員が陶芸家である加藤さんは、小さい頃から粘土を遊び道具として育ちました。
黄柳野高校に進学した加藤さんは3年の時、進路を決めなければならなくなりましたが、先輩が作った窯で陶器を焼いた経験をきっかけに、陶芸を卒業後の仕事にすることを決めました。
高校卒業後、父親や叔父等に分からないところは教えてもらいながら作品を作り続け、3年後には家族とともに展覧会をするようになりました。
ごちゃごちゃしたのは嫌い、という加藤さんの作り続ける作品は「シンプルで使いやすいもの」。その方が飽きがこないとのだそうです。
加藤さんの今後の目標は、父親達からもっと技術を吸収して、陶芸を続けつつ、陶芸を他の人に教えることです。
伊藤菜海さんは愛知県岡崎市生まれ(1986年)。
元々何かを作ることや絵を描くことが好きであった伊藤さん。
母親が名古屋造形出身ということもあり、名古屋造形芸術大学短期大学部(インターメディア)に進学。
大学ではカメラや彫金、絵など勉強しましたが、陶芸は遊び程度しかやりませんでした。
しかし、手を動かすことが好きであったことと、就職活動において陶芸教室の講師の募集があったことからその求人に応募し、見事採用されました。
陶芸を生徒に教えているうちに、段々と教えるより自分で本格的にやりたくなった伊藤さん。
3年ほど続けた講師を退職し、陶芸家の下に弟子入りして現在まで2年ほど経ちました。
伊藤さんは毎日使える、ほっとするような作品を作りたいと考え、日々努力しています。
鶲窯(ひたきがま)
「チッチッチッ」という鶲(ひたきという鳥)の鳴き声が火打ち石をうつ音に似ているため、鶲窯と名付けた。
ここでは年に2回の穴窯(薪で焼く窯)を焼き、年に2回の家族展をやっている。
TEL/FAX 0572-52-2340
展覧会風景&作品たち